2014年 第9回日本構造デザイン賞
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総合選考評
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2006年に始まった「日本構造デザイン賞」も9回目を迎え、松井源吾賞から数えて24回目になる。今年は例年よりも多い11件の作品の応募があった。
6月19日に、栗生明、工藤和美、大森晃彦、新谷眞人、金田充弘、小西泰孝による選考会を行った。
議論と投票を交えて選考した結果、独創的な構造形式によって建築が求める空間構成を実現した作品を構造設計された、次のおふたりが受賞された。
早部 安弘氏「高崎市総合保健センター・高崎市立中央図書館」
森部 康司氏「熊本県立球磨工業高等学校管理棟」
受賞に至らなかったいくつかの作品について、ここで選評を述べる。
「東京理科大学葛飾キャンパス図書館・温室」(風間宏樹氏)の図書館は上階のホールの大スパンの屋根を、陣笠状の骨組みにより軽快に覆っている。
温室はT字型フレームによって開放的なガラスの外壁を実現している。好感をもてるシンプルな構造である。
「ZEROPOD」(下平万里夫氏)は先端的な素材を利用しサステナブルで、わずかな起伏のある地形に設営が可能な自然を傷つけない居住スペースの提案である。
工業製品化住宅として興味深くさらなる進歩を期待したい。
「ガーデニエール砧WEST」(高橋啓氏)は中廊下タイプの集合住宅であるが、通常は廊下の両側で隣接する住戸間に間隔を空けることで、開放的で新しい住戸計画を創出している。
構造システムは免震RC造である。平面計画を無理なく実現している。
「積み木の薬局」(名和研二氏)はこの建築の基本方針を正面から実現した、楽しい構造システムである。しかし外観に純朴な太いRC部材が現れてこなかった点は残念である。
「羽田クロノゲート『和の里』施設群」(福島孝志氏)のうち、特にフォーラム棟は応募者の発想力の豊かさを感じることができ、優れた構造である。
なお、「日本構造デザイン賞 松井源吾特別賞」は、日本構造家倶楽部から推薦された内田祥哉氏、高橋てい一氏に全会一致で決定した。
新谷 眞人(選考委員長・構造家)
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2014年 第9回日本構造デザイン賞
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早部 安弘(はやべ・やすひろ) /高崎市総合保健センター・高崎市立中央図書館 | 経歴と受賞作品・選考評 |
森部 康司(もりべ・やすし) /熊本県立球磨工業高等学校管理棟 | 経歴と受賞作品・選考評 |
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2014年 第9回日本構造デザイン賞 松井源吾特別賞
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内田 祥哉(うちだ・よしちか) /構造部材の形態による建築デザインへの貢献 | 経歴と業績・選考評 |
高橋 てい一(たかはし・ていいち) /構造との融合が図られた一連の建築デザイン | 経歴と業績・選考評 |
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選考委員
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栗生 明(建築家)、
工藤 和美(建築家)、
大森 晃彦(建築評論家)、
新谷 眞人(選考委員長・構造家)、
金田 充弘(構造家)、
小西 泰孝(構造家)