JSDC_medal

日本構造デザイン賞賞牌

2021年 第16回日本構造デザイン賞


──
第16回構造デザイン賞について
──
当時、構造技術者へ与えられる賞は、構造技術者協会のJSCA賞と松井源吾博士による松井源吾賞のふたつしかありませんでした。特に松井源吾賞は、松井源吾記念会が独自の審査委員会で授賞者を選定するたいへん珍しい賞で、受賞者にとってはたいへん名誉な賞として誇りに思った制度でした。対象となったのは、国内、国外のアトリエ的な設計活動をする「個人」でしたが、残念なことに、第15回で終了となりました。
日本構造デザイン賞はこの松井先生のお考えを継承する形でスタートしました。したがって授賞の対象者は、基本的には、ひとことで言えば「アトリエ的な活動をする個人」を授賞の対象としていました。ただ、回を重ねるに従って、この考え方は次第に弱くなって、現在では必ずしも絶対的な基準ではなくなっています。このことは、今後皆で議論すべきであると思っています。
今回、13件の応募がありました。授賞に対する評価が高くなったことを感謝しています。今回の応募者の特徴は、大手設計事務所やゼネコン設計部に所属される方が増えたことです。作品も、空港施設や陸上競技場などの大型施設など、組織的な設計活動なくしては成立しえないものがあり、これを応募者個人の業績としてどこまで評価するのかが今後の課題と考えています。少なくとも、松井源吾賞の考え方を継承して、JSCA賞とは異なる視点で頑張っている構造設計者にスポットを当てる努力をしたいと思います。
松井源吾特別賞は、構造設計者の活動を理解し支えてくださる方々に、感謝と尊敬の念を込めて受賞していただくことに努めてきました。言うまでもなく、構造設計は建築作品を創出するほんの一部分の行為であり、それを支えてくださる方や理解して協力してくださる方がおられて初めて成立する行為です。今回は、多くの建築家の中から、構造的な観点からの構造設計の領域拡大に深い理解をお持ちいただいている岡部憲明氏に授与することになりました。
今後も、引き続き、日本構造デザイン賞の活動に、お力添えいただけますようにお願い申し上げます。

中田 捷夫(選考委員長・構造家)

──
2021年 第16回日本構造デザイン賞
──

坂田 涼太郎(さかた・りょうたろう)/土佐市複合文化施設  経歴と受賞作品・選考評 
島村 高平(しまむら・こうへい)/大成建設技術センター風のラボ  経歴と受賞作品・選考評 

──
2021年 第16回日本構造デザイン賞 松井源吾特別賞
──

岡部 憲明(おかべ・のりあき)
建築デザインにおけるエンジニア的思考の展開
 経歴と業績・選考評 

──
選考委員
──
中田 捷夫(委員長・構造家)
渡辺 真理(建築家)篠原 聡子(建築家)丹野 吉雄(構造家)向野 聡彦(構造家)多田 脩二(構造家)
大野 博史(構造家)