──
ヴェルナー・ゾーベック
(Werner Sobek)
──
経歴(受賞時)
1953年 ドイツ、アーレン生まれ
1987年 シュトゥットガルト大学にて博士号取得
1991〜1994年 ハノーバー大学教授
1992年 ヴェルナー・ゾーベック・グループ設立
1994〜2000年 フライ・オットーとヨルク・シュライヒの後任としてシュトゥットガルト大学軽量構造研究所所長就任
2000年〜 シュトゥットガルト大学ILEK所長
2008〜2014年 イリノイ工科大学ミース・ファン・デル・ローエ教授
2017年〜 DFG共同研究センター長
主な受賞
デュポン・ベネディクトス賞
国際インダストリアル産業会デザイン賞
ヨーロッパ集成材建築賞
アルフレート・トプファー財団フリッツ・シューマッハー賞
ハンブルクAIV年間建築賞
RIBA賞
ユーゴ・へリング賞
UIAオーギュスト・ペレ賞
ファズラー・カーン賞
バルタザール・ノイマン賞
フリッツ・レオンハルト賞
主な作品
R128(ドイツ、シュトゥットガルト、2000年)建築設計及び構造設計:Werner Sobek
Post Tower(ドイツ、ボン、2002年)建築設計:JAHN Architects、構造設計:Werner Sobek
Altar Roof for Benedict XVI(ドイツ、ミュンヘン、2006年)建築設計及び構造設計:Werner Sobek
NEST-Unit(スイス、デューベンドルフ、2017年)建築設計:Werner Sobek with Dirk Hebel and Felix Heisel、構造設計:Werner Sobek
World Expo 2017(カザフスタン、アスタナ、2016年)建築設計:Adrian Smith + Gordon Gill Architecture、構造設計:Werner Sobek
──
業績:軽量構造、高層建築、透明なファサードシステムの展開に対する顕著な貢献
──
World Expo 2017
所在地:カザフスタン、アスタナ/竣工:2016年/建築設計:Adrian Smith + Gordon Gill Architecture/構造設計:Werner Sobek/撮影:Andreas Keller
NEST-Unit
所在地:スイス、デューベンドルフ/竣工:2017年/建築設計:Werner Sobek with Dirk Hebel and Felix Heisel/構造設計:Werner Sobek/撮影:Zooey Braun
Altar Roof for Benedict XVI
所在地:ドイツ、ミュンヘン/竣工:2006年/建築設計及び構造設計:Werner Sobek/撮影:Zooey Braun
Post Tower
所在地:ドイツ、ボン/竣工:2002年/建築設計:JAHN Architects/構造設計:Werner Sobek/撮影:Andreas Keller
R128
所在地:ドイツ、シュトゥットガルト/竣工:2000年/建築設計及び構造設計:Werner Sobek/撮影:Zooey Braun
──
選考評
──
ドイツ・シュトゥットガルト大学、そして同大学内の軽量構造研究所はフライ・オットーからヨルグ・シュライヒに連なる空間構造の聖地として20世紀の空間構造デザインを牽引してきた。ヴェルナー・ゾーベック氏は同大学に学び、博士号取得後自らの事務所を設立。1992年にはシュトゥットガルト、フランクフルト、ロンドン、モスクワ、ニューヨーク、ドバイにオフィスを展開している。
その対象分野は、軽量構造に留まらず、高層建築とそのファサードデザイン、スチール・ガラス・チタン・織布・木質部材等さまざまな素材の応用およびこれらを通じたサステナブル建築の提案に至っている。1994年からはシュトゥットガルト大学に復帰、軽量構造研究所と構造物設計研究所を統合したLightweight Structures and Conceptual Design(ILEK)の所長に就任し、フライ・オットー、ヨルグ・シュライヒの後継者として、研究と教育の両面より構造工学と材料学を駆使した新しい構造デザインの可能性に挑戦し続けている。その姿勢は最先端の構造デザインを追い求めながらも、常に地球環境への配慮や建築および社会のサステナビリティの視点を失うことのないヨルグ・シュライヒの遺伝子を確かに受け継いでいる。
洗練されたデザインの中に深い示唆を感じさせる数々の作品を通じ、この度ヴェルナー・ゾーベック博士に松井源吾特別賞を贈れることは、誠に喜ばしい限りである。
竹内 徹(選考委員・構造家)