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日本構造デザイン賞賞牌

2008年 第3回日本構造デザイン賞


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総合選考評
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 2005年に幕を閉じた構造家を顕彰する「松井源吾賞」を引き継ぐ賞として2006年から始まった「日本構造デザイン賞」も第3回を迎えることになった。
 今年度からは新たに賞の枠の中に「松井源吾特別賞」を創設、構造家としての活動が社会的、文化的功労の観点から顕著な人を顕彰することにした。審査員も交代して、 建築界から仙田満氏、横河健氏の2名の建築家、ジャーナリストの中谷正人氏を招聘し、日本構造家倶楽部から中井政義氏が加わり審査にあたることになった。
 今回は、自薦のみ12件の応募があった。応募作品は、いづれも的確な技術と独創的な発想の優れた構造デザインであったが、慎重な審査の結果2件の作品を表彰することになった。
 日向市駅舎は、木質構造と鋼構造のそれぞれの特性を生かし、優れた構造デザインを創造した作品である。
 神奈川工科大学KAIT工房は、平鋼の繊細な構成で、軽やかで透明感のある空間を創った作品である。
 新たに設けられた「松井源吾特別賞」は、一連のドーム建築において技術の発展に寄与した社会的貢献、特に、多雪地域での総合的なシステムを優れた構造デザインで創り上げた業績が顕著であると、 審査員全員の推挙によって、細澤治氏の受賞が決定した。
 「日本構造デザイン賞」は、新しい挑戦を発掘し、育成する目的で設けられた。この挑戦者の中から「エンジニアリング・アーキテクト」として世界に通用する構造家を育てたい。 それが日本構造家倶楽部が目指していることのひとつである。ぜひ、この賞に多くの若い人たちが挑戦して欲しい。
 そして、構造家としての資質をすでにもっている人には「松井源吾特別賞」に応募し、日本構造家倶楽部の会員となって指導的立場で、活躍してもらいたいと思う。

播 繁(選考委員長・構造家)

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2008年 第3回日本構造デザイン賞
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阿蘓 有士(あそ・ゆうし)/日向市駅舎  経歴と受賞作品・選考評 
小西 泰孝 (こにし・やすたか)/神奈川工科大学KAIT工房  経歴と受賞作品・選考評 

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2008年 第3回日本構造デザイン賞 松井源吾特別賞
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細澤 治 (ほそざわ・おさむ) /しもきた克雪ドームならびに一連のドーム建築物における構造設計   経歴と業績・選考評  

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選考委員
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仙田 満(建築家)横河 健(建築家)中谷 正人(建築ジャーナリスト)播 繁(選考委員長・構造家)中井 政義(構造家)